舞台「城下町のダンデライオン」
演出の仕事を終えて、思うこと。
みんな、可愛かったなあ…☆☆☆
終わるころには、女子高の先生のような心境。
かといって、私が何かを教えたわけではなくて。
私はただ、生まれていく作品が
生まれゆくのを手伝った、
助産師みたいなものだった。
作品って、勝手に生まれていくもの。
今回、集まった25人のガールズたちは
みんな違うキャリアで
思いもそれぞれで稽古場にいたけど、
みんな、このお話が大好きだったことは、確か。
それぐらい、原作に力があったと思う。
私の一番のラッキーは
このアニメがめっちゃ好きになれたこと。
最初にお話をもらった時に、さっそく見た
アニメのオープニング。
「Ring Ring Rainbow」の曲を
何度も聴きながら浮かんだイメージ。
パンツ見られた茜の絶叫と共に
アニメのオープニングが始まるという
最初の演出。
脚本の保木本さんに、そのアイデアを形にしてもらい、
アンサンブルチームの脅威のパネルワークで
一瞬で舞台にスクリーンを作るという
ほぼイメージ通りのオープニングが出来た。
さらにラッキーだったのは、
キャストが魅力的だったってことだと思う。
素直で明るくて一生懸命で
真面目で誠実でお芝居が大好きな
キラキラした少女たち。
わたしは、1日、1日、彼女たちが
好きになっていったから、
すごく幸運だったんだと思う。
私が10代~20代のときの作品はよく
「少女漫画を読んでるみたい」と形容された。
でもそれが嫌で、もっと文学的だったり、
賢そうな感じの、アーティスティックな感じの
かっこいい感じの作品を背伸びしてやってた。
うん、つい最近まで。
でも、今回の作品をやって、私、気づいた。
私、こういう世界が心底好きなんだって。
どんなに人から軽いと言われようと
エンタメと言われようと
中身がないと言われても
私は、こういうタッチの作品が得意だし、大好き。
かっこつけて「2,5次元なんて舞台でやるもんじゃない」
なんて言ってたけど。
実は、ずっとやりたかったんだと思う。
アニメやゲームの世界を、まるで2次元そのままかのようなキャストで体現し
その世界へ一気に観客を連れていく。
その魅力に、最初からずーっと向かって行ってたんだと思う。
この作品が、本当の私を教えてくれた気がする。
だって、中学生のときの私、漫画を描いてたじゃないの(笑)
将来は漫画家になるんだって、思ってた。
漫画ではなく、それが実際に人を使って描くということに変化しただけ。
絵の中よりも、私にとってはずっとスリリング。
だって、生きている人間たちは
描いてく絵のように素直に言うことはきかない。
だから、キャストとの格闘は難しく、面白い。
こうやって、
幼い頃からの夢を一つずつ叶えてく。